Auto Diagnostic Repository(ADR)


ADR とは、Oracle が出力させるトレースファイル、ログファイルを一元化に
管理するユーティリティです。
今までの udumpやbdumpに慣れていた方は、初めは戸惑うかもしれません。
実際に、私も ADR からファイルを見るよりも、直接ディレクトリに移動して
見ることが多いです。
慣れれば非常に使いやすいユーティリティだとは思いますが。。。

さて、基本的な ADR の使い方を見ていきますまずは、プロンプトで adrci
と入力し ADR を起動させます。

$ adrci

次に、show homes コマンドでインストールした 11g
環境にログを出力させている対象を確認します。

adrci> show homes
ADR Homes:
diag/rdbms/ora11106/ora11106
diag/tnslsnr//11106
adrci>

また ADR では、アラートログも確認することができます。前回紹介した
ディレクトリに移動しなくても ADR 上で vi エディタを起動させることが
できます。

adrci> show alert

ここで注意して欲しいのが、 ADR は、同ORACLE_HOME に入っているすべての
データベース,ASM,リスナーなどのログの管理を行っているということです。

つまり、見るインスタンスを指定していないと show alert コマンドでは、
ログファイルを直接みることができません。※指定方法は後ほど記載します。

adrci> show alert

Choose the alert log from following homes to view:

1:diag/rdbms/ora11106/ora11106
2:diag/tnslsnr//11106

上記が指定していない場合の画面出力例です。
ここで見たいログファイルが出力されているパスの番号を入力すればアラート
ログファイルが見れます。データベースのアラートログファイルを確認する
ため、 diag/rdbms が設定されている "1" を入力します。

そうすると アラートログファイルが vi エディタで見事開きます。さて、
先ほど出てきましたインスタンスの指定方法を確認します。

ADR で show home をうち ADR が指定されているパスをまずは、確認します。

adrci> show home
※ここで複数のパスが出力された場合には、特定のログディレクトリが指定
できていないので show alert を打つと上記のように複数指定することが可
能になります。

また、show homes では ORACLE_HOME に関連付けてあるすべてのログファイル
が出力されているパスが確認できます。すべてのインスタンス、リスナーなど
複数あり、確認することができます。
adrci> show homes

ここで、set homepath コマンドを使用して特定のディレクトリを設定します。
show homes で確認したパスのいずれかが指定できます。

adrci> set homepath

これで設定完了です。不安な方は、show home コマンドで設定されているか
ご確認を。

設定後、再度 show alert コマンドを入力してみましょう。今度は、ログ
ファイルが指定されているために、先ほどのように複数指定することができ
ず、直接アラートログファイルを開くことができます。
ほかにも、ADR では、深刻なエラーについて incident という関連付けをし
て管理されています。深刻なエラーの中には、 ORA-1578(破損系)のエラーなどがあります。
※出力事態見たことがないような稀なエラーではあります。

次回は、この incident について解説していきたいと思います。