incident ってなんだ?


incident について解説していきます。
incident とは、重要な問題(エラー)が発生した場合に、ADR
エラーを管理するための番号となります。
たとえば、shared_pool の枯渇を示す ORA-4031 や 破損の ORA-1578
内部エラーの ORA-600 などのエラーでは incident が割り振られADRにて
そのエラーを管理することが可能になります。
たとえば、ORA-942 のようなエラーの場合には、重要問題のエラーでは
ないため、ADRでは管理されません。(incident番号が割り振られません)

ではまず、ADR を起動し incident があるのか確認をしてみましょう。
show incident コマンドで確認が可能です。

                        • -

adrci> show incident

INCIDENT_ID PROBLEM_KEY CREATE_TIME

                                                                • -

4821 ORA 4031 2008-10-10 13:00:01.995303 +09:00
4820 ORA 4031 2008-10-10 13:00:00.307636 +09:00

                        • -


上記から incident_id と problem_key でエラー内容を確認します。
problem_key には、エラー内容が出力されているため、ここから
どのようなエラーが発生していたか確認することができます。
上記ですと、2008/10/10 13:00 ごろに ORA-4031 のエラーが発生
していたことが確認できます。

では、incident_id とはどのようなときに使える番号なのでしょうか。
ここで、ADR の概念である package 機能を紹介します。

package とは、上記のような重要問題エラーが発生した際に
サポートセンターに連絡する際に有効な資料を一括で取得するときに
使用するもので、incident番号を指定して package を作成すると、
エラー内容が含まれているトレースファイルなどを zip 形式で
圧縮し作成することが可能になります。

package の使い方を見てみましょう。
ADR を起動します。
先ほどのように show incident コマンドを使用して incident_id を
確認します。
incident_id から確認した incident 番号を確認し incident 番号
指定で package を作成します。

作成には "ips create package incident " を使用します。

                        • -

adrci> ips create package incident 4821;
Created package 1 based on incident id 4821, correlation level typical

                        • -

上記のコマンドでは、incident 番号 4821 のエラーに対して package を
作成します。上記ですと作成された package は、 1 です。
上記にて ORA-4031 のエラー情報を格納した package が作成できました。

では、この package を zip ファイルにしてみましょう。
zip ファイルにするには "ips generate package " を使用します。

                        • -

adrci> ips generate package 1;
Generated package 1 in file /home/ORA4031_20081104204406_COM_1.zip, mode complete

                        • -

これで、ORA-4031 のエラーが発生した時のトレースファイル,アラートログの
zip が作成されました。
このファイルを解凍し、ファイル内容を確認することで原因を特定することが
できます。